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専任媒介で囲い込みされないための対策4選

不動産売却
2023.01.15

「家を売りたいけれど、専任媒介契約は囲い込みをされるかもしれない...」

不動産会社に任せて家を売りたいと思っているけれども、不動産売却の囲い込みが問題になっているというニュースをテレビで目にした。

不動産会社から「専任媒介契約」を勧められていることもあり、契約していいかどうかを迷っている。

専任媒介契約を結んだ場合の囲い込みのリスクを知って、媒介契約の締結を踏みとどまっていませんか。

『専任媒介契約すると囲い込みされる』というのは誤解です。

一般媒介契約、専任媒介契約、専属専任媒介契約、いずれの契約パターンであっても、囲い込みをする悪質な不動産会社は存在します。

専任媒介契約を結んでも、囲い込みされずに売却することができます。むしろ、売却が得意な不動産会社に任せれば、早期に売却できる可能性は専任媒介契約のほうが高いのです。

なぜなら、専任媒介契約した不動産会社は「本気で売却活動を行うから」です。

専任媒介契約の場合、1社のみで売却活動を行うため、売却が成立すれば不動産会社は必ず仲介手数料を得ることができます。

そのため、一般的な販売活動であるレインズや自社サイトへの物件掲載だけでなく、お金をかけて物件の魅力を高める特別な対策をとりやすくなります。

たとえば、プロのカメラマンによる撮影、モデルルームのようにみせるホームステージング、建築士によるホームインスペクション、建物の印象をアップするクリーニングなどです。

囲い込みをしない信頼できる不動産会社を選ぶためには、専任媒介契約と囲い込みの関係性を理解し、対策を把握することが必要です。

本記事では、3つの媒介契約の違いや専任媒介契約と囲い込みの関係を説明し、囲い込みをされないようにするために注意すべき点を解説します。

記事を読み終えてから、売却を依頼する不動産会社を決めることで、囲い込みなど自分の不利益になる状況を回避し、スムーズに売却を進めることができるでしょう。


監修者情報

印南和行(宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー(AFP)、一級建築士、一級建築施工管理技士、不動産コンサルティング技能士試験合格)
全国不動産売却安心取引協会 理事長。住宅専門チャンネル「YouTube不動産」が「わかりやすくて参考になる」と大好評でチャンネル登録者8万人、総視聴回数2100万回を超える(2022年7月1日現在)。著書に「プロ建築士が絶対しない家の建て方」(日本実業出版社)、「プロが教える資産価値を上げる住まいのメンテナンス」(週刊住宅新聞社)がある。


目次
1.3つの媒介契約の違い
 1-1 複数の不動産会社との契約
 1-2 不動産会社のレインズ(指定流通機構)への登録義務
 1-3 売主の自己発見取引の可否
 1-4 契約有効期間
 1-5 不動産会社から売主への販売状況の報告義務
2.専任媒介契約と囲い込みの関係
 2-1 市場(レインズ)に売却物件の情報をあえて公開しない
 2-2 他社の不動産会社の販売活動を妨害する
3.囲い込みをされないための4つの対策
 3-1 親身に販売をしてくれる「不動産会社」と「担当者」を見つける
 3-2 一般媒介契約で複数の不動産会社に売却の相談を行う
 3-3 営業担当と頻繁に連絡をとり、状況のヒアリングをする
 3-4 レインズの登録証明書を取得し、登録情報を確認する
5.まとめ


 

1、3つの媒介契約の違い

媒介契約とは、物件の売主が不動産会社と結ぶ契約のことです。

媒介契約を結んだ不動産会社は、売主に代わって物件を売却するサポートをしていきます。

その売却活動をどのような条件でおこなっていくのか、売却した場合には報酬はどうやって決めるかなど、あらかじめ決めておくのが媒介契約です。

この媒介契約には、『「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」「一般媒介契約」』の3種類が存在します。

契約ごとにそれぞれ特徴があり、どの契約を結ぶのかは、売主が自由に決めることができるのです。

  専任媒介契約 専属専任媒介契約  一般媒介契約 
①複数の不動産会社との契約 不可 不可
②不動産会社のレインズへの登録義務 7日以内に登録必須 5日以内に登録必須 任意
③売主の自己発見取引の可否 不可
④契約期間 3ヶ月 3ヶ月 なし
⑤不動産会社から売主への報告義務 1回以上/2週間 1回以上/1週間 任意

それぞれの特徴に関して、囲い込みに影響する順に説明していきます。

1-1、複数の不動産会社との契約

専任媒介契約・専属専任媒介契約の場合、「専任」と名が付いているとおり、特定の不動産仲介会社1社のみに売却活動を頼むことができます。

一方、一般媒介契約の場合は複数社に売却活動の依頼をすることが可能です。

1-2、不動産会社のレインズ(指定流通機構)への登録義務

専任媒介契約・専属専任媒介契約の場合、売却活動を依頼された不動産会社がレインズ(指定流通機構)への登録をすることが必須となっています。

なぜ必須なのかというと、レインズに登録されると、日本全国の不動産会社が物件情報を検索できるようになり、売却しやすくなるためです。

媒介契約後からその物件をレインズに登録するまでの期間には、7日以内、5日以内とそれぞれ定めがあります。

一方、一般媒介契約の場合、不動産会社は売却依頼を受けてもレインズへの登録をする必要はありません。

1-3、売主の自己発見取引の可否

専属専任媒介契約の場合、売主自身が物件の購入者を探してくることはできません。

専任媒介契約と一般媒介契約の場合は自身が購入者を探してくることも可能です。

例えば、あなたが自宅を売却することを会社の同僚が知り、「買いたい」と言われたとします。

専任媒介契約の場合は、自分で同僚との取引を行うことが可能です。不動産会社の仲介はありませんので、仲介手数料もゼロ円になります。

専属専任媒介契約の場合、仲介会社に必ず仲介してもらう必要があります。そのため、仲介手数料が発生してしまうのです。

1-4、契約有効期間

専任媒介契約・専属専任媒介契約の場合、契約の有効期間は3ヶ月。

更新も可能ですが、3ヶ月以内に、購入者を探すよう、力を尽くすことになります。

一般媒介契約は特に契約に有効期間はありません。

1-5、不動産会社から売主への販売状況の報告義務

専任媒介契約・専属専任媒介契約の場合、販売状況を報告する義務があります。

販売状況とは、例えば、その物件への問い合わせや内覧の数、お客さまの反応などのこと。

報告は、専任媒介契約の場合は2週間に1回以上、専属専任媒介契約の場合は1週間に1回以上行う必要があります。

一方、一般媒介契約の場合、特に報告の義務はありません。

2、専任媒介契約と囲い込みの関係

専任媒介契約、専属専任媒介契約の場合、囲い込みをされやすいと疑われることがあります。一社だけの取引のため、独占的になりがちだからです。

しかしながら、
『専任媒介契約、専属専任媒介契約だからといって囲い込みをされやすいわけではありません。』

なぜなら、専任媒介契約であろうと一般媒介契約であろうと、高値売却(お客様売主の利益)を優先する不動産会社は囲い込みをしないからです。
逆に言えば、どの媒介契約であっても、囲い込みに合う可能性があります。

ここでは、囲い込みの正体を知り回避ができるよう、囲い込みについて説明します。

囲い込みとは、
『1社の不動産会社が売主と買主の両方の仲介をする「両手取引」が成立するように仕向けることです。』

両手取引が成立すると、不動産会社は、売主と買主の両者から仲介手数料として報酬を受け取ることができるメリットがあります。

例えば、Aさん(売主)が3000万円で物件を販売したいと思い、不動産会社に仲介を依頼しました。
そして、Aさんの物件をBさん(買主)が3000万で買いたいと不動産会社に仲介の依頼をした場合、不動産会社はAさん、Bさんそれぞれから仲介手数料を受け取ることができます。

仲介手数料の速算式(売買価格400万円超)
売買価格  × 3% + 6万円 +消費税

Aさん(売主)の仲介手数料 3000万円 × 3% + 6万円 +消費税 = 105.6万円 
Bさん(買主)の仲介手数料 3000万円 × 3% + 6万円 +消費税 = 105.6万円 
不動産会社がもらえる仲介手数料合計  211万2000円

上記の合計額のように、片方だけの取引に比べて、2倍の報酬をもらえることになるのです。
売主と買主の両方から仲介手数料をもらうこと自体は日本の法律においては問題ありません。

しかし、業者によっては2倍の報酬を得るために、無理やり両手取引にしようと販売活動を故意に制限し、仕組むことがあります。これが、囲い込みです。

ダイヤモンド不動産研究所の調査によると、大手不動産会社の仲介には「囲い込み」が蔓延しており、「両手取引比率」が取引全体の5割を占める会社も少なくないようです。

具体的には、以下のような囲い込みが行われることがあります。

・市場(レインズ)に売却物件の情報をあえて公開しない
・他社の不動産会社による売却物件の買主への紹介を妨害する

囲い込みの具体例について、専任媒介契約との関係が強い順に説明します。

2-1、市場(レインズ)に売却物件の情報をあえて公開しない

専任媒介契約や専属専任媒介契約は、媒介契約後一定の期間以内にレインズに物件情報を登録する必要があります。

しかし、専任であることをいいことにレインズに物件の登録をしないことがあります。
そうするとその物件を他の業者が見つけることはできません。
そのため、その不動産会社は両手取引に向けて物件の購入者をじっくりと探すことができるのです。

また、最近ではレインズに登録はしていても図面だけは登録をしないパターンもあります。
図面掲載のリクエストがきた場合は、作成中などとごまかし、物件情報を他社になるべく渡さないようにしています。

2-2、他社の不動産会社の販売活動を妨害する

他社の不動産会社から内見や購入相談の連絡がきていたとしても、言い訳をして内見にありつけないように妨害していることがあります。

内見に辿り着かなければ、購入に至る可能性が低くなるためです。

例えば、契約が進んでいる方がいる、売主の都合がつかなくて、など様々な言い訳によって、購入をさせないようにするのです。

3、囲い込みを防ぐ4つの対策

囲い込みをされると売主側にはデメリットが大きくなります。売却までに時間がかかり、最悪の場合は物件価格を下げる必要も出てくるのです。
そのため、どの媒介契約であっても、囲い込みをされていないかを自身で確認し、対策をする必要があります。

4つの対策を重視すべき順に説明します。

3-1、親身に販売をしてくれる「不動産会社」と「担当者」を見つける

まず、なによりも親身に販売してくれる「不動産会社」を探すこと。

大手だから安心なわけではありません。会社で選ぶより最終的にはそこにいる
「営業担当者」に任せるかどうかで決めることが重要です。

なぜなら最終的に売却の施策を打ち、契約までを担うのは営業担当だからです。

3-2、一般媒介契約で複数の不動産会社に売却の相談を行う

一般媒介契約で、複数の不動産仲介会社に売却を相談することで、売却物件の情報を広げることができます。

複数社が情報を所有していることになるので、囲い込みは起きにくくなります。

3-3、営業担当と頻繁に連絡をとり、状況のヒアリングをする

専任媒介契約・専属専任媒介契約の場合、担当者に頻繁に連絡を取ることも重要です。

頻繁に連絡をされることで、売却がスムーズに進んでいかないことに担当者もプレッシャーを感じます。
すると、なにか対策を打ってくれたり、両手販売にこだわらない売却活動をしてくれることがあります。

3-4、レインズの登録証明書を取得し、登録情報を確認する

売主がレインズの登録情報を見るには「登録証明書」が必要です。

専任媒介契約・専属専任媒介契約の場合は、登録証明書を売主に交付する義務があります。
登録証明書に記載されているIDとパスワードで閲覧し、図面の登録や内容の確認を行いましょう。

4、まとめ

今回は『3つの媒介契約の違いや囲い込みをされないようにするために注意すべき点』について解説しました。

まず、買主が不動産会社に仲介を依頼する場合の3つの契約について知っておきましょう。
どの契約を結ぶのかは自分で選択することができます。

  専任媒介契約 専属専任媒介契約  一般媒介契約 
①複数の不動産会社との契約 不可 不可
②不動産会社のレインズへの登録義務 7日以内に登録必須 5日以内に登録必須 任意
③売主の自己発見取引の可否 不可
④契約期間 3ヶ月 3ヶ月 なし
⑤不動産会社から売主への報告義務 1回以上/2週間 1回以上/1週間 任意

また、専任媒介・専属専任媒介契約を結ぶと囲い込みをされやすいと思われる方が多いですが、
専任=囲い込みではありません。

以下のような囲い込みがおきていないかどうか注意しましょう。

・市場(レインズ)に売却物件の情報をあえて公開しない
・他社の不動産会社による売却物件の買主への紹介を妨害する

また、囲い込みを回避できたとしても、その物件がすぐに売れるという保証はありません。売却可能性で見ると、一般媒介契約に比べて専任媒介契約の方が高くなると言えます。

なぜなら、その一社のみで売却活動をおこなっているため、物件の魅力を高める対策を取りやすくなるからです。

一般媒介の場合は、複数社が同じ物件に対して営業活動をおこなっているので契約に結びつかなければ、活動が無駄に終わる可能性があるため、赤字のリスクがあります。
そのため、親身になってくれる「不動産会社」と「担当者」を見つけて、専任媒介で売却に向けて積極的に動いてもらうのがいいでしょう。

ほかにも、以下のように囲い込みが起こらない対策を自分からもアクションしていくことが重要です。

・一般媒介契約で複数の不動産仲介会社に売却の相談を行う
・営業社員と頻繁に連絡を取り、状況をヒアリングする
・レインズの登録証明書を取得し、登録情報を確認する

この記事が、スムーズに物件売却を進めるためのあなたの手助けになることを願っています。