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司法書士の相場は約6万円!相続手続を安く済ませる方法を紹介

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2023.12.24

「相続手続きを司法書士に依頼したいけど、相場がわからない」
「できる限り費用をかけずに手続きしたい」

そんな相続に関するお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。

日本司法書士連合会の調査によると、司法書士に不動産の所有権移転登記を依頼する手数料は、約6.6万円が相場です。

ただ自分で手続きをする場合は司法書士に払う手数料の負担がないため、実費のみで費用を抑えられます。

しかし、司法書士に依頼したほうが、トラブルなく手続きが完了するケースがあります。

特に注意したいケースは、以下の通りです。

  1. 連絡を取っていない親族がいる
  2. 被相続人(亡くなった方)に借金がある
  3. 外国籍の方が亡くなった

連絡が取れない親族の連絡の窓口を司法書士が担当し、円滑に遺産分割ができるためです。

司法書士に依頼すると、3ヶ月の期限がある借金を放棄する手続きがスムーズに完了します。

外国籍の方が亡くなった場合は、複雑な書類の準備や翻訳などの手続きをすべて任せられるため、手間がかかりません。

この記事では、司法書士に依頼する費用の相場や、自分で手続きをする流れをご紹介します。

相続手続きでよくあるトラブルの対策から相続登記の義務化も含めて、わかりやすくポイントを押さえてご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。


監修者情報 西風恒一
(司法書士) 1972年兵庫県生まれ。 大学卒業後は教育業界で講師職・管理職を10年間経験し、平成16年から司法書士業界に入る。平成19年に司法書士資格を取得し、すべての分野の実務を経験する。 現役司法書士として実務を行いながら、法律記事のライターとしても多数の記事を執筆・監修している。


1.相続手続きを司法書士に依頼する4つの理由

相続手続きを司法書士に依頼する理由は、4つあります。

  1. 不動産売却のトラブルを防げる
  2. 複雑な手続きを任せられる
  3. 依頼費用が安い
  4. 相続登記の義務化

相続手続きに影響が高い順番で解説します。

1-1.不動産売却のトラブルを防げる

土地の売買には詐欺が起こる可能性がありますが、司法書士が入ることで防げます。

登記申請の前に、戸籍や住民票などの個人情報が記載されている書類の収集や、依頼者と依頼内容、依頼する意思を確認する本人確認を念入りに行うためです。

1-2.複雑な手続きを任せられる

相続人が海外に移住しているなど手続きが複雑な相続でも、相続のプロである司法書士なら安心して依頼できます。

たとえば、海外に移住している場合は、日本領事館でのサイン証明書の発行や書類の翻訳などが必要です。用意する書類が多く、抜けがあると、相続放棄などの期限が短い手続きができません。司法書士なら慣れているため、トラブルなく任せられます。

1-3.依頼費用が安い

司法書士に依頼する手数料は、手続きの時間と手間のわりに安く済みます。戸籍謄本などの相続関係を証明するための必要書類を集めるのには1~2ヶ月以上かかります。被相続人の兄弟が相続人となる場合は集める戸籍の量が多く、3ヶ月前後かかるケースも。

不動産の所有権移転登記の申請を行うには、固定資産税の評価証明書や、不動産の登記簿謄本を読み取り、理解するにも時間がかかります。法務局で相談しようとしても、コロナの影響で相談窓口の数が減少しており、予約が取れないケースも少なくありません。

預貯金の解約手続きを依頼すると、印鑑証明書の発行や署名以外の手続きを全て依頼でき、スムーズに遺産が振り込まれます。(ただし、この場合には相続登記以外に別途、遺産承継業務としての手数料が必要となります)

1-4.相続登記の義務化

令和3年の民法改正により、令和6年4月1日から相続登記が義務化されました。この改正により、不動産の相続登記は相続の開始およびそれにより所有権を取得したことを知ってから、3年以内に相続登記をしなければなりません。正当な理由なく怠ると、10万円以下の罰金を支払う可能性も。

相続登記の義務化は、令和6年4月1日より前に相続の開始があった場合にも適用されます。

その場合は、以下のいずれかの遅い日から3年以内に相続登記をしなければなりません。

  • 令和6年4月1日の施行日
  • 不動産の相続登記は相続の開始およびそれにより所有権を取得したことを知った日

10年前など時間が経過した相続も対象です。時間がかなり経過した相続では、相続人が増え、自分では手続きが難しい場合があります。相続人が亡くなり、その子どもに権利が引き継がれ、芋づる式に相続人が増えているケースが多いためです。

相続人が増えた分、必要書類が多く、遺産分割協議も揉めやすいため、司法書士に依頼しましょう。

2.自分で相続手続きをする流れと注意点

自分で手続きする場合の流れと、注意点を解説します。

自分で相続手続きをする流れのポイントは、以下の通りです。

自分で相続手続きをする場合の注意したいケースは、以下の3つです。

2-1.自分で相続手続きをすれば、実費のみで費用を抑えられる

自分で手続きする場合は、司法書士に依頼する手数料を支払わないため、実費のみで費用を抑えられます。

しかし、自分で行う場合は必要書類の収集に1~2ヶ月前後、預貯金と不動産の手続きに1~3ヶ月前後の期間が必要です。また市役所や金融機関、法務局などに何回も行くか、または郵送で手続きをするため、準備にまとまった時間を確保しなければなりません。

2-2.自分で相続手続きをする流れ

自分で相続手続きする流れは、以下の通りです。

  1. 必要書類を集める
  2. 預貯金を解約する
  3. 不動産の所有権移転登記

実際に手続きを行う順番で解説します。

今回発生した相続の条件は、以下の通りです。

  • 相続人1名のため、遺産分割協議書は作成しない
  • 相続税はかからない
  • 小規模宅地等の特例などを利用しない

2-2-1.必要書類を集める

預貯金と不動産の相続手続きに共通して必要な書類は、以下の通りです。

預貯金の解約には、別途以下の書類が必要となります。

今回の不動産の手続きのみ、別途以下の書類が必要です。

2-2-2.預貯金を解約する

不動産の手続きの前に預貯金の解約を行います。預貯金の解約では、書類を提出すると窓口でコピーを取り、原本がその場で返却され(即日返却されない場合もあります)、次の手続きができるためです。ただし、証券会社やネット銀行は原本を郵送で提出し、手続き完了まで戻ってこないケースもあるため、手続きを進める前に確認することをオススメします。

まず、被相続人の口座があった銀行に亡くなった旨を伝えます。そのときに解約の手続きをするには、来店前に予約が必要なのか、郵送のみで手続きするのか確認しましょう。

次に必要書類を持参し、金融機関に解約の書類を提出します。それぞれの金融機関で解約の申請書類が異なるため、事前に書き方などを聞いておきましょう。

不備がなければ、3週間~1.5ヶ月ほどで解約の手続きが完了します。口座を解約して振り込む場合、他行だと振込手数料が高額になるケースがありますので、注意が必要です。

2-2-3.不動産の所有権移転登記

必要書類を持参し、不動産を管轄する法務局で所有権移転登記を申請します。

管轄の法務局は、以下のHPからご確認ください。

「管轄一覧から探す」の項目から、各地域の法務局をクリックすると、管轄地域の一覧が表示されます。

管轄のご案内:法務局

申請書は、A4の用紙を使用し、他の必要書類と一緒に左とじで提出します。登記申請書は長期間保存するため、上質紙などの丈夫な紙がオススメです。

郵送による申請も可能で、封筒の表面に「不動産登記申請書在中」と記載し、書留で送ります。また、登記が完了した権利証を郵送で受け取るために、返信用封筒(本人限定郵便用)と切手を添付しましょう。申請書の様式は、以下の法務局のHPで様式と記載例が確認できます。

引用:法務局HPにある様式

法務局HPにある記載例 ※詳細はリンク先のPDFをご確認ください

不動産の表示は、登記事項証明書に書かれている通りに記入します。申請する前に、登記事項証明書に書かれている被相続人の住所と、用意した被相続人の住民票の除票や戸籍の附票で住所の沿革がすべて証明できているかを確認しましょう。

役所での保管期間が満了しているため住所の沿革が証明できない場合は、役所で「廃棄済証明書」を発行してもらい、被相続人が不動産を取得した際の権利証を提出することにより、住所の沿革が証明できなくても便宜登記申請を受理する取り扱いとなっています。

相続関係説明図は、法定相続情報を作っている場合は、記入する必要はありません。

相続関係説明図を作成することにより、戸籍謄本の原本を登記完了後に返却してもらうことができます。

相続関係説明図を提出しなくても、戸籍謄本をすべてコピーして「原本と相違ありません。 〇〇(氏名) ㊞」と記載することにより、戸籍の原本を返却してもらえますが、コピーとこの原本還付の処理が面倒であれば相続関係説明図を作成するとよいでしょう。

登録免許税は、法務局に登記申請する際に収める収入印紙代です。収入印紙は、郵便局で購入できるほか、ほとんどの法務局の中にも収入印紙売り場が設けられています。

登録免許税は、以下の計算式を使って計算します。

申請する不動産の固定資産税評価額の合計×0.4%=登録免許税

固定資産税評価額は1,000円未満を切り捨て、登録免許税は100円未満を切り捨てて計算します。固定資産税評価額は、固定資産評価証明書か固定資産税納税通知書で確認することが可能です。

手続きが分からない場合は、法務局の登記手続相談を利用しましょう。原則として、事前予約制になっているため、事前に法務局に電話してご確認ください。

2-3.自分で手続きをするときの注意点・トラブル事例

自分で手続きする場合に、注意が必要なケースが3つあります。

  1. 連絡を取っていない親族がいる
  2. 被相続人に借金がある
  3. 外国籍の方が亡くなった

よくあるケースの順番で解説します。

2-3-1.連絡を取っていない親族がいる

連絡を取っていない相続人がいる場合は、遺産分割協議の際に揉める可能性があります。普段連絡を取っていない親族から、いきなり遺産分割のために署名や印鑑証明書を求められても、不信感があるためです。署名や書類の提出の拒否や、印鑑証明書の発行費用などの手数料を求められるケースがあります。

遺産分割の話し合いがうまくいかずに裁判に発展すると、多額の裁判費用がかかる可能性も。また戸籍などの書類を収集しても、連絡先が分からず、遺産分割ができないケースがあります。

連絡を取っていない親族がいる場合、相続人となると確定したときに、連絡先が分かり次第、書面で知らせましょう。手紙の返信やメールなどのリアクションがなければ、いきなり親族の家に来訪するなどはせずに、司法書士にどのような方法があるかを考えてもらいながら進めるようにしましょう。

行方不明などで連絡先が分からず生死がわからない親族がいる場合は、家庭裁判所に失踪宣告を行い、その親族を抜いて遺産分割することができる可能性もあります。そのような可能性がある場合は、司法書士や弁護士に相談しながら進めていきましょう。

2-3-2.被相続人に借金がある

被相続人に借金があり、遺産より借金の返済が多くなった場合は、相続放棄の手続きを検討しましょう。相続放棄とは、被相続人の相続人から完全に離脱することです。相続放棄をすると、最初から相続人でなかったとみなされますから、借金などのマイナス財産も預貯金や不動産などのプラスの財産もすべて引き継ぐ権利がなくなります。相続放棄をして相続人がいなくなると、次の相続順位の相続人に権利が移ります。

自分が相続の開始を知った時から3ヶ月の申請期限があるため、スケジュールには注意が必要です。3ヶ月を過ぎると相続放棄できず、自動的に相続人であることが確定しますから、引き継ぎたくない借金の返済義務が生じることになります。

相続放棄の手続きは期限が短く、必要書類の収集や申請に法的知識が必要です。正確にスピーディーに手続きしたい場合は、司法書士に依頼することをオススメします。

2-3-3.外国籍の方が亡くなった

外国籍の方が亡くなった場合、被相続人の国籍がある国の法律を適用するケースがあります。

たとえば、被相続人が韓国籍の場合は、韓国民法を適用することが原則です。叔父や叔母は日本では相続人になりませんが、韓国では相続人とみなされます。韓国には戸籍制度がなく、基本証明書や家族関係証明書と翻訳された書類などが手続きに必要です。

帰化した場合や、相続放棄の手続きをする場合は、日本の民法が適用されるケースも。被相続人の国籍によって、どの国の法律が適用されるか異なります。手続きの期間や必要書類などが複雑なため、司法書士に依頼をすることがオススメです。

3.司法書士に依頼する費用相場

司法書士に依頼する費用は手続きの内容によって異なり、今回は3つのケースにわけて解説します。

  1. 不動産の所有権移転登記を依頼する場合
  2. 預貯金の解約を依頼する場合
  3. 相続放棄を依頼する場合

実際に依頼を検討することが多いケースから説明します。

3-1.不動産の所有権移転登記を依頼する場合

司法書士に不動産の所有権移転登記を依頼する手数料は、全国平均で約6.6万円です。
この結果は、全国1000人以上の司法書士に以下の条件で調査しています。

  • 固定資産評価額の合計が1,000万円
  • 土地1筆と建物1棟の所有権移転登記手続
  • 戸籍謄本など必要書類の5通の請求
  • 遺産分割協議書と相続人関係図、登記原因証明情報の作成

日本司法書士連合会の公式なアンケート結果が出ているためです。
日本司法書士連合会の調査によると、関東地区の全体の平均値は65,800円。低額者10%の平均は39,212円、高額者10%の平均は103,350円と発表されています。
ただし、相続人の人数や土地の評価額、収集する書類の範囲によって手数料は異なります。
参考:日本司法書士連合会 司法書士の報酬 報酬アンケート結果(2018年(平成30年)1月実施)

3-2.預貯金の解約を依頼する場合

司法書士に預貯金の解約を依頼する手数料は、1行あたり30,000~60,000円程度です。口座数や相続人の人数によって金額が異なります。振り込みの手数料が、被相続人の口座から引かれることも頭に入れておきましょう。

3-3.相続放棄を依頼する場合

司法書士に相続放棄を依頼する手数料は、40,000~50,000円程度です。「売れない土地を手早く処分して、多くのお金を手に入れる方法」では、相続放棄を司法書士に依頼する費用の内訳や手続きが終わるまでの期間を詳しく書いておりますので、相続放棄を依頼するケースの理解が深まります。合わせてお読みください。

4.まとめ

相続手続きを司法書士に依頼する理由は、不動産売却のトラブルを防げることや相続登記の義務化が始まるためです。

自分で相続手続きを行えば、実費のみで費用を抑えられます。

しかし、連絡を取っていない親族がいる場合や被相続人に借金があった場合は、手続きが複雑になるため、司法書士に依頼したほうが安心です。

司法書士に依頼する相場は、手続きの内容によって異なります。不動産の所有権移転登記を依頼する手数料は6.6万円、預貯金の解約を依頼する手数料は30,000~60,000円、相続放棄を依頼する場合の手数料は、40,000~50,000円程度です。

この記事によって、相続手続きを司法書士に依頼する相場が分かり、相続手続きがトラブルなく、スムーズに終わることを願っています。


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