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売れない土地を相続する際に知っておくべきこと8選

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2023.12.26

「売れない土地を相続しそうだ。意味もなく、土地を持ち続けるのは嫌だな…」
相続した土地をどうすべきか、すごく悩みますよね。

売れない土地はなるべく早めに手放した方が賢明です。
土地を所有しているだけで固定資産税がかかりますし、管理するのも大変です。
実際、評価額で1000万円の土地を持っている人の固定資産税額は年間約14万円になります。

さらに土地の管理を委託すると、全体で年間数十万円の出費になることがあります。
まったく使わない土地で、こんなにも出費がかさむのは恐ろしいことですよね。

他の側面では、空き地状態が長く続くとゴミの不法投棄をされ易くなり、地域の環境を悪化させます。
そうなると、地域住民とのトラブルも起こり易くなります。

そうならないために、この記事では土地を手放すための4つの方法を紹介します。
売れない土地への対処の仕方がわかれば、漠然とした悩みも解決されるでしょう。

記事の内容を参考にして、ご自身に最適な方法を選び、ぜひ実践してみてください。


監修者情報 西風恒一
(司法書士) 1972年兵庫県生まれ。 大学卒業後は教育業界で講師職・管理職を10年間経験し、平成16年から司法書士業界に入る。平成19年に司法書士資格を取得し、すべての分野の実務を経験する。 現役司法書士として実務を行いながら、法律記事のライターとしても多数の記事を執筆・監修している。


1 売れない土地を相続したら早めに手放す

売れない土地を相続した場合、早めに手放してしまうことが得策です。

「無駄な出費をなるべく抑えたい」
そうは思っていても、土地を持っていれば固定資産税・管理費などの維持費はかかります。

今のままでは売れない土地をどうすれば手放すことができるか?

まずは土地が売れない原因を知ることが大事です。
そして原因がわかれば、より効果的な対策をとることができるようになります。

1-1 売れない2つの原因

土地が売れない原因には『土地自体の問題』と『土地の需要がない』の2つがあります。

(1)土地自体に問題がある

土地そのものに問題があるとなかなか買い手がつきません。
問題のある土地を手に入れても苦労することが目に見えているからです。
そもそも、問題がある土地とはどのようなものなのでしょうか?

問題のある土地の具体例は次の6つです。
①土地の形状、②接道の問題、③土地の境界線、④土壌汚染、⑤地中障害物、⑥軟弱地盤

1つずつ説明していきます。

①土地の形状が良くない

土地の形状でもっとも売れやすいのは正方形に近い四角形です。

反対に売れにくい土地の形状は、細長、三角形など全体を有効活用しづらいものです。
道路よりも低い位置にある土地、非常に狭い土地、反対に広すぎる土地も使い勝手が良くないので売れにくいです。

②接道の問題

都市計画区域・準都市計画区域では、接道義務により道路に接していない土地に家を建てることが出来ません。
家を建てられないといった利用制限のある土地を欲しがる人は多くないので売れにくいです。

ちなみに道路とは原則、幅員(横幅)4メートル以上のものを指し、接道義務では所有する土地と道路が2メートル以上接している必要があります。

この接道義務は『建築基準法第43条』に規定されていて、災害時の避難経路を確保することを主な目的としています。
【参照:建築基準法 第43条

③土地の境界線が不明である

隣人の土地との境界線がはっきりしていない土地は、隣人とのトラブルが起こりやすいと考えられ、売れにくいです。
ただし、境界線の解決が困難な場合、法務省の「筆界特定制度」という制度を活用して解決することもできます。
【参照:法務省筆界特定制度

④土壌が汚染されている

土壌が汚染されている土地も売れにくいです。
工場跡地、病院跡地のような土地は土壌が汚染されている可能性があるので、事前に調査をしておいてください。

⑤地中に障害物が埋まっている

過去にあった建物の基礎部分、浄化水槽などが地中に埋まっている土地は扱いが難しいので売れにくいです。
土地の利用履歴を確認したり、レーダーを使用したり、非破壊的な方法で地中障害物の有無を事前に調べておくと良いでしょう。

ボーリングマシンを使って地面に直接穴を開け、地中障害物を確認する方法もあります。
障害物を確認したら、解体業者に依頼をして地中から撤去することで問題が解決するでしょう。

⑥地盤が軟弱である

地盤が弱い土地は、自然災害が起こった際に被害を受けやすく危険なため、売れにくいです。
しかし、事前に地盤の調査を行い、地盤改良工事、基礎補強工事などの対策をすることで地盤を強くすることは可能です。

地盤の問題が解決すれば、土地を買いたいと言う人も現れやすくなります。

(2)立地が悪く、土地の需要がない

周りに田んぼしかない、スーパーマーケットや商業施設が近くにないといった生活するのに不便な土地は売れにくいです。
電気、ガス、水道などが通っていないような山奥にある土地、すぐ近くに汚染処理場、墓地などがある土地を欲しがる人もあまりいません。

また、農地は「農地転用許可」を得なければ、農地利用以外の目的では使用できないので注意が必要です。

2 土地を手放す方法4選

そのままの状態では土地を手放すことが難しくても、きちんと対策を立てて、プロの知識をうまく活用することで可能になります。

土地を手放す4つの方法を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

2-1 土地を手放すための方法

土地を手放すための方法には、大きく分けて『売却』『買取』『寄付』『相続放棄』の4つがあります。
それぞれについて、順番に説明します。

(1)売却

不動産会社に仲介を依頼して土地を売却するという方法です。
土地売却の依頼主は、不動産会社と媒介契約(ばいかいけいやく)を結び、仲介の依頼をします。

媒介契約には『専任媒介契約』『専属専任媒介契約』『一般媒介契約』の3種類があり、
不動産会社の担当者は、契約内容に従って土地の売却活動を行います。

媒介契約についての詳しい内容は以下の記事に記載していますので、あわせてご覧ください。
一般媒介契約って何?専任媒介契約と比べたときのメリット、デメリットを詳しく解説

不動産会社に仲介を依頼する以外に、隣人に売却の話を持ちかけるという方法もあります。

自分の土地と隣人の土地を合わせることで
土地の形状、接道問題などが解決される可能性もあります。

(2)買取

「不動産会社に仲介の依頼をしたのになかなか土地が売れない」
そんな時は不動産会社に『買取』してもらうという方法もあります。
買取の依頼をすると、不動産会社より土地調査のうえ買取価格の提示があります。

価格に問題がなければそのまま進め、不動産会社から現金が振り込まれて買取手続き完了です。
土地の買取価格は、一般的に仲介の販売価格の6~8割くらいになることが多いようです。

不動産会社が土地を再販するための経費、利益の分を前もって買取価格から引いているからです。

(3)寄付

自治体に寄付をするという形で土地を手放すという方法もあります。
ただし、自治体によって条件が異なるので、土地が所属する市区町村に事前に問い合わせるようにしてください。
【参考例:広島県安芸郡】
https://www.town.fuchu.hiroshima.jp/site/kanzaika/21976.html

(4)相続放棄

最初から売れない土地を相続しないという方法もあります。

家庭裁判所に申し立てをして相続自体を放棄することで、不必要な土地を手に入れなくてすみます。土地を所有しないので、当然ながら固定資産税も払う必要はありません

ただし、相続放棄をした場合は相続人の地位から完全に離脱することになりますので、被相続人が土地以外に金銭的な価値のある財産を持っていた場合でもそれらを相続することができなくなります。
不要な土地だけ相続を放棄して、価値のある財産は相続するということは許されないからです。

なお、2023年4月27日から施行される『相続土地国庫帰属制度』により、条件が合致すれば国に土地を引き取ってもらうこともできます。
土地を引き取ってもらう場合、土地を管轄する法務局に申請して承認された場合には、申請者は10年分の土地管理費相当額の負担金を納付する必要があります。
【法務省:相続土地国庫帰属制度について】
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00454.html

2-2 プロの知識をうまく活用

たとえ土地を手放す方法を熟知していたとしても、土地の問題、相続関連のトラブルなど一般人では解決できないこともあります。

そんな時は、経験豊富な専門家の知恵を借りてください。
土地に関する話なので、まずは経験豊富な不動産会社の担当者に相談するのが良いでしょう。
他にも、不動産会社では税理士、司法書士、弁護士などそれぞれの分野に詳しい専門家を紹介することも可能です。

税理士は、土地の売却により発生する相続税、譲渡所得税などについて相談にのってくれます。
司法書士は、遺産分割協議書の作成、土地の登記の名義変更などについて相談にのってくれます。
弁護士は、相続そのものに発生するトラブルについて相談にのってくれます。

不動産会社の担当者、それぞれの道のプロの知識をうまく活用して問題を解決してください。

3 売れない土地を放置することのリスク

いくら土地が売れないからといっても、何もしないで放ったらかしにするのはやめましょう。
土地を放置することで小さな問題が大きなトラブルに発展することもあります。
トラブルを防ぐためにも、売れない土地を放置することのリスクを理解しておいてください。

3-1 使用しなくても維持費が発生

土地を全く使用していなくても、固定資産税、管理費という維持費が発生します。
ただ所有しているだけの土地に維持費を払い続ける意味があるのでしょうか。

無意味に税金を払い続けないためにも、また、土地が代々引き継がれ、子孫が維持費を払い続けないようにするためにも、売れない土地は手放しておきたいですね。
ただし、土地の課税評価額が30万円未満の場合は固定資産税が課税されることはありません。

3-2 近隣住民とのトラブルの可能性

売れない土地を放置することで、近隣住民との間にトラブルが起こることがあります。
長い期間放ったらかしにされた土地には雑草や木が生い茂り荒地になります。
すると、荒地には何をしても構わないと思う人たちからゴミが不法投棄されます。

ゴミ捨て場と勘違いされた荒地にさらにゴミが捨てられることで景観が悪くなり、近隣に住んでいる人たちに迷惑がかかります。

また、放置されている土地で犯罪行為が行われる可能性があります。
自分で気がつかない間に近隣住民との間に軋轢が生まれてしまっていたら…
想像するだけでも怖いですよね。

相続した土地を定期的に管理して放置しないようにしましょう。
自分自身で管理することができないときは、管理会社に依頼して土地を管理してもらってください。

4 その他活用法

ここまで紹介した4つの方法を試しても土地を手放すことができなかった場合、土地を活用できないかも検討してみましょう。
活用法は土地のサイズによって異なります。ここでは4つの方法を厳選してご紹介します。

土地が狭い場合

(1)駐車場

自動車が出入りするスペースを確保できるようであれば、土地が狭くても駐車場を経営することが可能です。

駐車場のない家、工場などが近所にあるようであれば、月極駐車場にしても良いかもしれません。
たくさんの自動車が通り、出入りが多いようであれば、コインパーキングを設置するもの良いでしょう。
短時間で利用することが多くなるため、月極駐車場よりコインパーキングの方が需要があるからです。
土地がある環境によっては月極駐車場とコインパーキングを併設しても良いかもしれません。

(2)トランクルーム

近くに大きな道路が通っている、マンション・住宅地などの居住地が近くにあるなど、比較的アクセスの良い場所に土地がある場合の活用法です。

荷物の出し入れをするとき、アクセスが良い場所の方が良いですよね。
トランクルームはコンテナを設置するだけなので、狭い土地でも経営することができて便利です。

ただし、トランクルームは倉庫扱いになるので土地がある場所によっては運営の許可が降りないこともあります。
コンテナを設置する前に、事前に自治体に問い合わせるようにしてください。

土地が広い場合

(1)太陽光発電

広くて、よく陽の当たる土地に適した活用法です。
太陽光パネルを設置することができるスペースと多額の初期費用が必要になります(一千万円〜数千万円)。
投資した費用を回収するのに10年程度かかると言われているので、長期的な戦略に向いています。

気象条件によって発電量が変わること、定期的なメンテナンスの費用がかかることも念頭においた方が良いでしょう。

(2)農地バンク(農地中間管理機構)

農地バンクは、相続した農地を誰かに貸し出したいという時に活用できる方法です。
平成26(2014)年に国によって全都道府県に『信頼できる農地の中心的受け皿』として設置されました。
「遠く離れた場所にある実家の農地を突然相続することになって困っている」
そんなとき、農地バンクを利用することで、農地を借りたい農家、法人、新規就農者に情報を提供して農地を貸し出すことができます。
【参照:農地バンク(農地中間管理機構)

5 まとめ

売れない土地をいつまでも所有していても、何のメリットもありません。

しかも、何も対策を取らなければ、子供や孫にも土地が相続されてしまい、彼らにも不利益が続いてしまうかもしれません。こんな未来を想像するだけで、心が重くなります。

でも大丈夫です。
売れない土地を手放す方法は、たくさんあります。まずは『土地が売れない原因』を把握して、対策を考えましょう。
原因がわかってしまえば、問題解決は格段にやりやすくなります。

そして、『土地を手放すための4つの方法』に取り組み、問題を解決していきましょう。
もし、困難があれば、専門家に相談することも大切です。土地の管理も忘れずに行い、近隣住民とのトラブルを未然に防いでください。

もし、4つの方法でも土地を手放せない場合は、土地を活用する方法も検討しましょう。
ただし、売れない土地はなるべく早く手放した方が良いです。
そのためには、「なんとしてでも土地を手放すんだ」という強い意志を持ち、1日でも早く問題を解決することを心がけましょう。


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