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【ブログ】「不動産の囲い込み」は違法?「囲い込み」のデメリットや事例、対策まで徹底解説!

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2022.09.17

「少しでも早く家の買い手をみつけたい」
「できるだけ高く不動産を売りたい」

不動産の売却を考えている方は、少しでも早くできるだけ高い値段で売却したいものです。

しかし、不動産会社が売主の「少しでも早くできるだけ高い値段で家を売却したい」という願いを邪魔する行為が「不動産の囲い込み」。

「不動産の囲い込み」は、不動産会社が売主と買主の両方から仲介手数料を意図的に搾取しようとする行為のことです。

不動産会社が売主と買主の両方を仲介すること自体は違法ではなく、仲介手数料を値下げしてもらえる可能性さえあります。

しかし、「不動産の囲い込み」にあうと、無駄な時間をかけられ売却価格が相場を下回る値段まで下げられてしまうことも。

売主に不利益となる可能性が高い「不動産の囲い込み」にはあいたくないですよね。

そこで、この記事では「不動産の囲い込み」の意味やデメリット、対策などについて徹底解説します。

「不動産の囲い込み」に少しでも不安な方は、ぜひ参考にしてください。


監修者情報 印南和行
(宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー(AFP)、一級建築士、一級建築施工管理技士、不動産コンサルティング技能士試験合格) 全国不動産売却安心取引協会 理事長。住宅専門チャンネル「YouTube不動産」が「わかりやすくて参考になる」と大好評でチャンネル登録者9万人、総視聴回数2100万回を超える(2023年5月1日現在)。著書に「プロ建築士が絶対しない家の建て方」(日本実業出版社)、「プロが教える資産価値を上げる住まいのメンテナンス」(週刊住宅新聞社)がある。


「不動産の囲い込み」とは?

「不動産の囲い込み」とは、不動産会社が意図的に売主と買主から同時に仲介手数料を得ようとする行為です。

ここでは、「不動産の囲い込み」について以下の内容で解説します。

  • 「不動産の囲い込み」は違法?
  • 囲い込みが起きやすい状況
  • 実際にあった囲い込みの手口
  • 「囲い込み」物件の末路
  • なぜ「不動産の囲い込み」が行われるのか?

それぞれについて解説します。

「不動産の囲い込み」は違法?

結論からいうと、「不動産の囲い込み」は宅建業法において「禁止」という明記がないので違法ではありません。

しかし以下のような場合などに違法・規約違反となります。

  1. 専任媒介契約や専属専任媒介契約を結んだ状態でレインズ(*1)に登録しなかった場合
  2. レインズに登録している状況にもかかわらず不当に紹介や内覧を断った場合

上記の場合に限っては、宅建業法違反やレインズ利用規定違反の対象となるためなんですね。


場合によっては刑事責任や民事責任に問える場合もありますのでよくよく注意しておきましょう。

(*1)レインズは、国土交通大臣指定の不動産流通機構が運営するネットワークシステム。


物件の登録情報を他の不動産会社にリアルタイムで広く公開するシステムで、買主を広く募ることが可能になります。

物件検索や成約状況、市場のトレンド情報などを知ることが可能になるのであわせてご覧ください。

囲い込みが起きやすい状況

「不動産の囲い込み」は、以下の状況で起きやすい場合があります。

  • 両手仲介の場合
  • 専任媒介契約や専属専任媒介契約の場合

不動産会社の仲介方法には、片手仲介と両手仲介の2つがあります。

片手仲介は、売主、もしくは買主のどちらか一方に対して仲介業務を行うもの。

両手仲介は、売主と契約している不動産会社が自社で買主を探し出して両方の仲介をする方法です。

両手仲介自体は、違法ではありませんが「囲い込み」が起きやすく問題になっています。

なぜなら売主と買主の両方を自社で囲えば、手数料も2倍得られるため「囲い込み」が起きやすくなるからです。

特に専任媒介契約や専属専任媒介契約は、一般媒介契約とは違い1つの不動産会社に売却依頼をするため「囲い込み」のリスクも大きくなります。

実際にあった囲い込みの手口

「囲い込み」には、次のような悪質な手口が実際に横行しています。

  • 売主のせいにして内覧を断る
  • 一般媒介契約を結ばせ情報を開示しない

■売主のせいにして内覧を断る希望を断る手口

売主を信用させるため、レインズに登録して物件情報を公開し紹介可能の意思を示します。

しかし実際に内覧希望の連絡が入ると、
「売主にお客さんが来て、2週間程部屋を使うから内覧できません」
とか
「売主が忙しく、2週間程前から予約を入れないと部屋を見られません」
などの理由をつけて内覧を断り自社で買主が見つかるまで囲ってしまうのです。
売れるかもしれないチャンスをドブに捨てる売主に対する裏切り行為といえます。

■一般媒介契約を結んで「囲い込み」を行う手口

まず、他の不動産会社に売却依頼しないよう売主を説得し、あえて一般媒介契約を結びます。

一般媒介契約であればレインズへの登録は任意のため、情報を公開せず物件を「囲い込み」。

万が一「囲い込み」がバレても、宅建業法違反には問われない悪質な手口といえます。

囲い込みを行う不動産会社は、物件を売ることが目的でなく「両手取引で手数料を得る」ことが目的なのです。

「囲い込み」物件の末路

「囲い込み」が行われると、他社から買い手が現れても紹介せず情報封鎖を行います。

そのため、なかなか買い手がつかない状況になりがち。

それでも「囲い込み」を行う不動産会社は、買い手が自社で見つかるまで情報を公開しません。

早期に売れない物件は、「売れない原因がある」と認識され余計に売れる機会を失っていきます。

不動産会社は売主に対して「価格が高いから売れない」などの理由をつけて、相場より安い値段での売却を要求。

囲い込みされた物件の末路は、売却するまでの時間もかかり、価格も安くなりがちなので売主にとって最悪です。

なぜ「不動産の囲い込み」が行われるのか?

「囲い込み」が行われる理由として、以下のようなことが挙げられます。

  • 両手仲介が法律で禁止されていないため
  • 仲介手数料を効率よく得ることができるため
  • 「囲い込み」がバレにくいため

両手仲介は宅建業法で禁止されていませんし、不動産会社にとっては効率よく手数料を稼ぐ方法となっています。

また、そもそもバレにくいのも、「囲い込み」が行われる理由の1つ。

売主がレインズの登録を確認できても、物件への問い合わせまでの確認は難しいのが現状。

買い手にしても不動産会社から「売主さんの都合で案内できない」と理由を挙げて内覧を断られると、それ以上内覧を強く希望することが困難になります。

「不動産の囲い込み」によるデメリット

「不動産の囲い込み」のデメリットは以下の2つ。

  • 売却期間が長期化する
  • 売却期間が相場より下げられる

それぞれのデメリットについて解説します。

売却期間が長期化する

「不動産の囲い込み」が行われると、売却期間が長期化する場合があります。

なぜなら「囲い込み」では情報封鎖や内覧拒否が行われ、媒介契約した不動産会社のみで買主を探すため売却期間が延びてしまうからです。

早期売却に至らない場合は「問題のある物件」として、余計に買い手がつかなくなり売却期間が長期化する恐れもあります。

売却価格が相場より下げられる

「囲い込み」によって、不動産が相場よりも低い金額で売却される場合もあります。

なぜなら、不動産会社は両手取引にするために、自社で見つけた買主との契約成立を最優先にするからです。

その際不動産会社は、「物件が売れないのは、売却価格の設定が高いから」と売主に価格を下げるよう依頼してきます。

結果として、不動産会社にいわれるまま相場より低い売却価格に下げて売ることになってしまうのです。

「不動産の囲い込み」にあわないための対策

「不動産の囲い込み」にあわないための対策について実践しやすい順番に3つ紹介します。ぜひ参考にしてください。

1.レインズで確認する 

不動産会社と媒介契約を結ぶ場合には、レインズの登録と物件情報を必ず確認しましょう。

レインズは原則不動産会社のみ閲覧可能ですが、売主は取引情報の閲覧が可能です。

「不動産の囲い込み」は、レインズの登録や物件情報、成約状況を確認することで避けられる場合があります。

なぜなら、レインズの取引情報を確認することで、レインズに登録しているか、物件紹介可能となっているか、を確認できるからです。

レインズへの登録なしに売却活動を行っている場合、「囲い込み」の可能性が高くなります。

「囲い込み」に不安をお持ちの方は、まずレインズで確認することをおすすめします。

レインズの確認で囲い込みの疑いがある場合は、すぐに他の信頼できる不動産会社に相談しましょう。

2.任せられる不動産会社を選ぶ

不動産会社はネームバリューや査定の高さではなく、営業力が高く任せられる不動産会社を選びましょう。

不動産会社を選ぶ判断材料として、ネームバリューや査定の高さを基準にしている方は少なくありません。

しかしネームバリューがあっても売却が得意な会社かどうかはわかりません。

また査定額が高くても、実際に高値で売却できる営業力やノウハウがなければ意味がありません。

重要なのは「高く売れる具体的な戦略やノウハウがある会社を選ぶこと」です。

3.不動産会社への依頼は複数にする

不動産会社と媒介契約を結ぶ前には、必ず複数の不動産会社に売却の相談依頼をしましょう。

一社だけに査定依頼をした場合、査定価格が妥当かどうかの判断ができません。

知り合いの紹介などで比較なしに不動産会社を決めてしまうことが、囲い込みなど悪徳業者と媒介契約を結んでしまう原因となる場合もあります。

複数の不動産会社に査定依頼をした上で、査定価格と売るためにどんな戦略をとってくれるのか、十分に比較検討してみてください。

まとめ

この記事では、「不動産の囲い込み」の意味やデメリット、対策などについて徹底解説しました。

元々「囲い込み」は不動産会社への物件問い合わせなどに限界があり、バレにくく横行しているのが現状です。

【実際「囲い込み」にあった場合の被害】

「囲い込み」による被害売主・買主の影響広く物件情報が公開されない・内覧を断られる物件売却までに時間がかかってしまう売れない理由を売却価格のせいにされる相場より安い価格に下げさせて売りたたかれる

「囲い込み」は売主や買主の利益などは無視され、売却価格を下げても仲介手数料を取ろうとする悪質な行為となるので注意しましょう。

「不動産の囲い込み」にあわないためには、自らしっかりした対策をとる必要があります。

【「囲い込み」にあわないための対策】

  • レインズの登録状況や物件の成約情報、地域の相場などを確認する
  • 不動産会社はネームバリュー(大手不動産)だけで選ばない
  • 複数の不動産会社に売却相談をして、査定価格や営業力を確認する
  • 不動産会社選びは、知人の紹介だけでではなく他社と比較検討する

「囲い込み」への対策がしっかりできれば、スムーズな取引で相場に見合った不動産売却に期待が持てるでしょう。

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