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【ブログ】不動産を売却するときの仲介手数料って値引きできるの?値引きが可能なケースと交渉のコツを解説

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2023.12.16

家を売るときの不動産会社に支払う仲介手数料は、値引きできるものなのか?

家の売却を一生に何度も経験する人は稀ですから、仲介手数料を安くできるかなんて、わかりませんよね。
しかし、法律で決まっているのは仲介手数料の上限額だけなので、仲介手数料を半額や無料にしている不動産会社もあります。値引きは可能なのです。

ただ、仲介手数料を安くすることばかりに気をとられると、売却活動に支障が出るなど、かえって悪い影響の方が大きくなってしまいます。
この記事では、不動産会社に支払う仲介手数料の値引きが可能な場合や、交渉のポイント、を注意点も併せて解説します。

この記事を読むことで、仲介手数料の値引きに対する不安がなくなり、自宅の売却に向け、不動産会社と良好な関係が構築できるでしょう。


監修者情報 印南和行
(宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー(AFP)、一級建築士、一級建築施工管理技士、不動産コンサルティング技能士試験合格) 全国不動産売却安心取引協会 理事長。住宅専門チャンネル「YouTube不動産」が「わかりやすくて参考になる」と大好評でチャンネル登録者9万人、総視聴回数2100万回を超える(2023年5月1日現在)。著書に「プロ建築士が絶対しない家の建て方」(日本実業出版社)、「プロが教える資産価値を上げる住まいのメンテナンス」(週刊住宅新聞社)がある。


1 仲介手数料の値引きが可能なケース

仲介手数料は、売却活動にかかる費用の中では大きなウェイトを占めます。

過去の記事「不動産を売却すると仲介手数料はいくらかかる?計算方法と支払い方法を解説」でも解説しましたが、
仲介手数料の金額は上限が法律で定められていて、その範囲内で不動産会社から提示があります。

範囲内とはいっても、その内訳は
売却活動に必要な経費や不動産会社の利益でもあるため、簡単には値引きできません。

しかし、不動産会社の立場に立って考えれば、値引き可能なケースがあります。
それは以下のケースです。

1)不動産会社が「両手取引」のとき
2)取引価格が大きいとき
3)売却がすぐに成立しそうなとき

1-1 不動産会社が「両手取引」のとき

「両手取引」は不動産会社に大きな利益を生むため、その場合は値引きできる可能性が高まります。

「両手取引」とは不動産会社が売り主と買い主を見つけ、双方から仲介手数料を得る取引です。
仲介手数料は売買時の成功報酬になりますので、不動産会社は売り主だけではなく、買い主からも仲介手数料を徴収します。

そのため、「両手取引」であれば、仲介手数料を2倍得ることが可能です。

1-2 取引価格が大きいとき

物件売買価格が大きいときも、仲介手数料を安くしてもらいやすいケースです。
仲介手数料は、物件売買価格が400万円を超えれば、「3%」という定率で物件売買価格に比例して増加します。

しかし、不動産売却1件にかける広告宣伝費・人件費などのコストは、物件価格が高くても安くても、それほど大きくは変わりません。
例えば、2000万円の物件と4000万円の物件で、広告宣伝費や人件費が大きく違うというのは考えにくいものです。

つまり、物件売買価格が大きければ大きいほど、不動産会社にとっては仲介手数料に占める「経費」の割合が減り、効率よく「利益」を上げることが可能になります。

物件価格の目安はありませんが、不動産会社の販売活動などを見て、十二分に利益があると感じたら交渉してみましょう。

1-3 売却がすぐに成立しそうなとき

売却にかかった期間が短い場合も、仲介手数料を安くしてもらえる要素があります。

仲介手数料で不動産会社が利益以外で補填しなければならないのは、不動産ポータルサイトや新聞折り込みチラシ、独自のポスティング広告などの宣伝広告費用や、内覧対応、契約代行事務、現地調査などにかけた人件費などです。
そのため、売却活動を始めてから契約締結までの期間が短ければ短いほど、不動産会社の経費は少なくて済みます。

つまり、早期の契約成立でかかった経費が少なければ、仲介手数料を上限で取らなくても、不動産会社は十分に利益を確保することが可能です。
実際に不動産会社によっては、成約時期によって値引き額を最初から決めている会社もあります。

2 仲介手数料を値引くコツ

仲介手数料の値引き交渉のコツを解説します。
まず、不動産会社と媒介契約を結ぶ前は値引き交渉の大きなチャンスです。

不動産会社にとっては、売り主と媒介契約を結ばない限り、仲介手数料などの収入を得られません。
そのため、売り主との媒介契約は最優先事項となり、媒介契約を結ぶために仲介手数料を値引きする可能性があります。

さらに媒介契約の種類を条件にして仲介手数料の値引きを持ち掛けるのも効果的です。

媒介契約は3種類ありますが、「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」は複数社が仲介する「一般媒介契約」と違い、1社に仲介を任せます。
「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」は他社の動きを気にすることなく、仲介手数料を得られる上、売り主・買い主双方から仲介手数料を得る「両手取引」も狙いやすい契約です。

そのため、不動産会社は「できれば専任媒介契約か専属専任媒介契約を結びたい」というマインドになりますので、契約の種類は仲介手数料交渉の有力な取引材料になります。

また、販売が始まったあとでも、不動産会社の売買が実際に「両手取引」だったり、想定以上に早く売買が成立したり、高額な売買であったりすれば、値引きできる可能性がありますので、その場合の仲介手数料についても事前に打合せしておくと良いでしょう。

3 仲介手数料の安い不動産会社や値引き交渉の注意点

3-1 仲介手数料が安い不動産会社の注意点

仲介手数料は販売活動経費と不動産会社の利益ですから、最初から無料や半額になっている不動産会社には注意も必要です。

不動産会社によっては、最初から仲介手数料無料や半額を売りにして集客を図っています。

しかし、中には必要な広告をしなかったり、販売経費を削ったりしていれば、売却そのものに支障が出かねません。

なぜ仲介手数料が安くなっているのか理由を必ず確認して、納得できなければ利用を避けることも検討しましょう。

3-2 無理な値引き交渉は悪影響もある

仲介手数料の無理な値引きは、担当者の販売モチベーション低下や、広告宣伝費用の削減、販売の後回しなど、悪い影響が大きくなるため注意が必要です。

売り主から見れば、仲介手数料が安くなるに越したことはありませんが、不動産会社から見れば、必要経費や正当な利益であるはずの仲介手数料を値引きするのは本意ではありません。

とくに売却の成否に大きく関わっている営業担当者のモチベーションを低下させるのは避けたいところです。
不動産業界の場合、営業担当者は歩合制であることが多く、過度な仲介手数料の値引きは営業担当者の収入減となり、販売のモチベーションを保つのが難しくなります。

また、不動産会社としても、必要経費を補填する仲介手数料が大きく減ってしまうと、本来かけるべき広告宣伝費などが確保できません。
このような物件は不動産会社の販売に対する優先順位も低くなり、さらに売却が遅れ、価格が下がってしまうという悪循環に陥ります。

これでは「できるだけ高い値段で、早い時期に売却する」という売り主や不動産会社の本来の目的を達成できず、本末転倒です。

不動産の売却は不動産会社だけでなく、売り主と二人三脚で行います。

目先の仲介手数料だけではなく、不動産会社とウイン・ウインの関係を築くことが、より重要であることには留意しておきましょう。

4 まとめ

今回は不動産を売却したときの仲介手数料を値引きするポイントや注意点を解説しました。

法律で定められているのは仲介手数料の上限のみのため、不動産会社に値引き交渉を持ち掛けるのは可能です。

しかし、過度な値引きの要求は、いたずらに営業担当者のモチベーション低下を招いたり、不動産会社との関係が悪化したりすることにつながりかねません。

無理のない範囲で不動産会社と相談することが大切です。
仲介手数料の疑問が解決し、皆さんが具体的に不動産の売却に踏み出せることを願っています。


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