家の売却価格相場を調べたい!土地総合情報システムの使い方と注意点
土地総合情報システムを活用すると家の売却価格相場を調べられます。
土地総合情報システムは、時期や地域ごとに成立した不動産取引の価格がわかるサイトで、国土交通省によって運営されています。不動産取引の透明性を高めて健全な取引を促進する目的を持つサイトです。
国が運営する信頼性の高い情報が閲覧できる土地総合情報システムは、無料で使うことができます。使い方を覚えて家の売却価格相場を把握するのに役立てましょう。
監修者情報 印南和行
(宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー(AFP)、一級建築士、一級建築施工管理技士、不動産コンサルティング技能士試験合格) 全国不動産売却安心取引協会 理事長。住宅専門チャンネル「YouTube不動産」が「わかりやすくて参考になる」と大好評でチャンネル登録者9万人、総視聴回数2100万回を超える(2023年5月1日現在)。著書に「プロ建築士が絶対しない家の建て方」(日本実業出版社)、「プロが教える資産価値を上げる住まいのメンテナンス」(週刊住宅新聞社)がある。
土地総合情報システムとは
土地総合情報システムには、国内で成立した不動産取引の情報が集約されています。一般の人からすると、不動産取引は価格の決まり方がわかりにくく不確実性の大きい取引に感じられるでしょう。
不動産市場の透明性と信頼性を高め、不動産取引の円滑化と活性化を図るために、国土交通省の運営するサイトで不動産の取引価格情報を無料で提供しています。
土地総合情報システムは、アンケートによって価格情報が形成されます。不動産取引が行われると、国から不動産購入者に取引価格についてのアンケートがおこなわれます。アンケートの結果は、個人情報保護に配慮され、物件名や個人名が容易に特定できないよう加工されてから公表されます。
土地総合情報システムは主に3つのコンテンツで構成されています。
1つ目は「不動産取引価格情報検索」で、主に実際におこなわれた不動産の取引価格を知りたい人向けのコンテンツです。家の売却価格相場の調査にも「不動産取引価格情報検索」を使用できます。
2つ目は、標準地や基準地の価格を知りたい人向けの「地価公示・都道府県地価調査」です。地価公示とは、国土交通省土地鑑定委員会が公表する全国で選定された標準地の毎年1月1日時点における評価価格になります。
都道府県地価調査とは、都道府県知事が公表する毎年7月1日時点における基準地の評価価格です。土地総合情報システムでは、地価公示と都道府県地価調査の結果を閲覧できます。
3つ目は土地取引情報調査票が届いた人向けの「不動産取引価格アンケート回答」をおこなうコンテンツです。ここでの回答が、システムのデータとして蓄積されていきます。
土地総合情報システムで家の売却価格相場を調べる方法
それでは、土地総合情報システムで家の売却価格相場を調べる方法を紹介します。家の売却価格相場を知りたいときには、土地総合情報システムの3つのコンテンツのなかから「不動産取引価格情報検索」を利用します。
検索条件の設定
まず土地総合情報システムのトップページから「不動産取引価格情報検索」を選択しましょう。「不動産取引価格情報検索」のページに遷移します。
サイトの左上から、検索したい不動産取引の時期を選択します。取引時期は四半期ごとでの選択ですが、最新の四半期を選ぶときには過去1年の取引と過去2年の取引が選択可能です。
続いて取引の種類を選びます。取引の種類には「宅地」「中古マンション等」「農地」「林地」から選択が可能です。
また、「宅地」は「土地」と「土地と建物」に細分化ができます。家の売却価格相場を知りたいときには「宅地」を選択しましょう。
取引の種類を選択したら、次は地域を選びます。売却価格相場を知りたい家が所在する地域を探しましょう。
地域の選び方には、都道府県や市区町村から選択する住所から探す方法と、地方の選択後に路線や駅名を選択する方法があります。
住所から選択する場合、都道府県を選ぶと地図の表示が可能になり、地図から詳細な地域を選ぶこともできます。地図上部のタブをクリックすることで航空写真での表示も可能です。
路線・駅名から地域を選択する場合は、駅名まで指定しない地図表示はできません。
時期と取引種類、そして地域を選定したら検索を実行しましょう。
検索結果から家の価格相場を把握
検索を実行すると、指定した地域における不動産取引が「種類」や「所在地」など項目別に整理されて一覧で表示され、それぞれの取引価格を閲覧できます。
家の売却価格相場を知りたいときには、できる限り条件の近い物件の取引価格を複数集めて見ることで適正な相場がわかります。
検索結果は各項目別に並べ替えできますので、重要な項目ごとに並べ替えして見やすくしましょう。重要な項目としては、最寄り駅からの「距離」や「土地の面積」、さらに建物の「延床面積」「建築年」「構造」などがあります。
これらの項目が価格相場を知りたい家に近い物件の取引価格を参照して、売却価格相場を調べましょう。
土地総合情報システムサイトの特徴と注意点
土地総合情報システムは無料で不動産の取引価格を調べられる便利なサイトです。特徴と注意点を理解して有効に活用しましょう。
類似サイトとの違い
家の売却価格相場を知りたいときに利用できるサイトは、土地総合情報システムのほかにもあります。それぞれの特徴を知ってうまく使い分けましょう。
まず、土地総合情報システムの類似サイトとして「不動産ポータルサイト」があります。「不動産ポータルサイト」は、現在売り出ししている不動産物件の情報を集約したサイトです。
さまざまな不動産会社の情報が集まっているので複数のサイトを渡り歩く必要がなく、売り出し物件を探すにはとても便利でしょう。
ただし、「不動産ポータルサイト」の物件価格は売り出し価格であるため、実際に成立する取引価格よりも高く設定される傾向があるので注意が必要です。
(不動産ポータルサイトを活用して価格相場を調べる方法はこちら)
同様に土地総合情報システムの類似サイトとして、「レインズ・マーケット・インフォメーション」があります。レインズとは国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営しているコンピューターネットワークシステムです。
本来プロの不動産会社が利用するシステムであるレインズの情報を、「レインズ・マーケット・インフォメーション」は一般の人にも閲覧できるように加工したサイトです。実際に成立した取引の価格を見ることができます。
(レインズ・マーケット・インフォメーションを活用して価格相場を調べる方法はこちら)
特徴
土地総合情報システムの特徴は、国が運営するサイトであるということです。国が不動産取引をわかりやすく安心しておこなえることを目的に運営しているサイトで、公示地価や都道府県地価調査も見ることができる土地総合情報システムの情報は大変信頼性の高いものと考えられます。
注意点
土地総合情報システムの情報は、不動産取引の購入者へのアンケートからできています。アンケートへの回答は任意であるため、すべての取引情報が検索できるわけではありません。
また、成立した取引の情報ですから、地域や時期によっては取引データが十分見つからない可能性もあります。取引データがないあるいは少ない場合は、検索条件を変更して範囲を広げるようにして調べ直してみましょう。
まとめ
土地総合情報システムで、家の売却価格相場を知ることができます。
「不動産取引価格情報検索」で時期と地域ごとに不動産取引の成約価格を見ることができ、売却価格相場を知りたい家に近い条件の物件を検索することで、適正な価格相場を把握できるでしょう。
無料で使えますので、積極的に活用してください。
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